CASBEEとは
「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能で評価し格付けする手法です。
省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。CASBEEの特徴は、建築物の環境に対する様々な側面を客観的に評価するという目的から、
1. 建築物のライフサイクルを通じた評価ができること
2.「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面から評価すること
3.「環境効率」の考え方を用いて新たに開発された評価指標「BEE(建築物の環境性能効率、Built Environment Efficiency)」で評価すること
という3つの理念に基づいて開発されています。
「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面から評価し、それぞれ評価項目について各々設定された採点基準(レベル1~レベル5)により採点されます。採点結果から「BEE(建築物の環境性能効率)を算出することで、評価結果が「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階のランキングが与えられます。
| 分類 | 項目 | 採点 | |
|---|---|---|---|
| Q1室内環境 | 1.音環境 1.3吸音 |
レベル3 壁、床、天井のうち一面に吸音材を使用している レベル4 壁、床、天井のうち二面に吸音材を使用している レベル5 壁、床、天井に吸音材を使用している *対象建材の使用面積が各7割以上 |
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4.空気質環境 4.1発生源対策 |
レベル4 建築基準法を満たしており、かつ建築基準法規制対象外となる建築材料(告知対象外の建材及びJIS・JAS規格のF☆☆☆☆)をほぼ全面的(床、壁、天井、天井裏の面積の合計70%以上の面積)に採用している。 レベル5 建築基準法を満たしており、かつ建築基準法規制対象外となる建築材料(告知対象外の建材及びJIS・JAS規格のF☆☆☆☆)をほぼ全面的(床、壁、天井、天井裏の面積の合計90%以上の面積)に採用している。さらにホルムアルデヒド以外のVOCについても放散量が少ない建材を全面的に使用している。 |
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Q2 サービス性能 |
1.機能性 1.3維持管理 |
レベル2 維持管理に配慮した設計において、取り組みが十分でない。(評価する取組みにおいて該当する項目数が0~2) レベル3 維持管理に配慮した設計において、取り組みが標準である(評価する取組みにおいて該当する項目数が3~5) レベル4 維持管理に配慮した設計において、取り組みが標準以上である(評価する取組みにおいて該当する項目数が6~8) レベル5 維持管理に配慮した設計において、充実した取り組みが行われている。(評価する取組みにおいて該当する項目数が9以上) |
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評価内容 1.内装仕上げ:内壁面は防汚性の高い仕上げ方法や建材、塗装、コーティングを採用している。 2.内装仕上げ:床面は防汚性の高い建材、塗装、コーティングを採用している。 3.内装設計:床面は適度な水を使用して洗浄可能な設計・構造を採用している。 4.内装設計:内壁や床面おいて設計上ホコリの溜まりにくい設計や物を置かない設計を採用している。 |
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2.耐用性・信頼性 2.2.3主要内装仕上げ材の更新の必要間隔 |
更新必要間隔の年数によって採点 (事務所、学校、物販店、飲食店、集会場、工場、病院、ホテル) レベル1 5年未満 レベル2 5年以上~10年未満 レベル3 10年 レベル4 11年以上~20年未満 レベル5 20年以上 |
更新必要間隔の年数によって採点 (集合住宅) レベル1 10年未満 レベル2 10年以上~15年未満 レベル3 15年 レベル4 16年以上~25年未満 レベル5 25年以上 |
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LR2 資源・マテリアル |
2.非再生性資源の使用料削減 2.4躯体材料以外におけるリサイクル材の使用 |
レベル3 リサイクル資材を1品目用いている。 レベル4 リサイクル資材を2品目用いている。 レベル5 リサイクル資材を3品目以上用いている。 リサイクル資材 : エコマーク認定商品(日本環境協会) グリーン購入法特定調達品目 |
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2.非再生性資源の使用料削減 2.6部材の再利用可能性向上への取り組み |
レベル4 解体時におけるリサイクルを促進する対策として、評価する取り組みを1ポイント実施している レベル5 解体時におけるリサイクルを促進する対策として、評価する取り組みを2ポイント以上実施している 評価する取り組み:1ポイント 再利用できるユニット部材を用いている。 |
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3.汚染物質含有材料の使用回避 3.1有害物質含まない材料の使用 |
レベル4 化学物質排出把握管理促進法の対象物質を含有しない建材種類が1つ以上~3つ以下ある レベル5 化学物質排出把握管理促進法の対象物質を含有しない建材種類が4つ以上ある |
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*2016年版CASBEE建築(新築)評価マニュアルより抜粋